言えないサ行

さすが、すごい、そうなんですね。

僕が教えた相槌を、
君は内心うっすらと笑いながら投げかけてくる。

「さ」の行は、探すほどでもなく、
いくつかの心地良いフレーズで構成されていて、
幼い頃に慣れ親しんだ30cmの定規のように、
正確に距離を縮めてくれる。

それでも、世の中の殆どの「サ行」は上部でしかない。

僕たちの距離をゼロにするのは、
いつだって「好き」という、たったひとつの言葉なのだから。

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