見えない世界

この世界は光と影で構成されていて、
影を見れば光を見失い、
光を見れば、影の輪郭は曖昧になる。

その両方を上手く監視することは不可能なので、
僕らが存在している世界を、全て見渡すことは難しい。

だから僕たちは、見えないものを信じようとする。
存在しないものに価値を感じてしまう。

見えないし、存在しないというものは、
此処にあるものではなくて、きっと探し出せるものだと勘違いしてしまうけど、
無い物は無いのだから、手に入ることはずっと無いんだよ。

心が映す幻想は、光と影が作り出す蜃気楼。
近づくと消え、また新しい水平線が広がるだけ。

一体僕らは何を見たいと思うのだろうか。

便宜化された取引の中で、
信じられるものは目で見て触れられるものだけ。

結局僕らの世界には、既視感に塗れたつまらないものしか存在しないんだ。

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