ホワイトバード

平和とは、争いごとがない状態のことを言うけれど、
それはつまり、最適な緊張状態が保たれているということだ。

争いごとは常に、不均衡が原因で生じる。
バランスの概念が存在しない空間は無く、
僕たちは常に集団および個人の利益に対して、争わざるを得ない可能性を孕んでいる。

あたかも、晴れ渡る空の下で、
自由に歌い、手を取り合い、笑顔に太陽の光が反射する眩さが教科書の指し示す「平和」だが、
そんなものは国境や人種という視覚的に明らかな、それぞれの帰属意識を全くのゼロにしなければ不可能である。

そもそも人は、個の利益を最大化するために集団に帰属し、
共有財産を築いて利益を確保する傾向があることを、我々人自身の歴史で証明してしまっている。

対話で緊張を解けば平和は訪れるだろうか。
武器を捨てることで、この世の全てに均衡が訪れるだろうか。

対話をせよ、武装をするなという人たちが、
どういった状況に誘導したがっているのか、
いい加減、理解できる教養くらい身につけて欲しい。

平和のためにやるべきことは、祈ることではない。
よく理解することだ。

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