物体や人などが、光の進行を遮る結果、壁や地面にできる暗い領域。
それを、影と呼ぶらしい。
光が直進的に進むから、君の輪郭がその行く手を遮って影をつくる。
影ができる壁や地面には角度がついているから、
その影はたいてい、歪んだ像になるんだ。
本物の君を歪ませた、その黒いかたまりは、
僕にとっては本物以上に愛らしい、手に入らないものだけど、
自分の輪郭を知っている君は、その影を疎ましく思っているはずだよね。
でも、光が刺して、影が出来るのだとしたら、
君に影ができるのは、君を眩しく照らす光が、既にこの世の中に溢れているからなんだよ。
そのことが信用出来ないと言うなら、僕が君の光になりたいくらいなんだ。
それか、僕がもっと大きな影を落として、君の影を食べちゃおう。