僕に寄りかかる君の体温は、どこか遠くにあるような温もりだった。
他人の弱みは能動的に見たがるくせに、
自分の弱さには目を伏せるどうしようもない生命体。
弱さは空白にしておいて、それを埋めるように言い訳を吐き、取り繕うための服を探す。
できれば裾丈の長いロングコートがいい。僕はそのコートを脱ぐことを酷く嫌悪するし、君にはその仕草が滑稽に映るだろう。
夏は嫌いだ。
ありのままの弱さを見せれば、君はきっと関心を持つだろう。哀しいほどに、僕の弱い部分にだけにしかピントが合わなくなってしまうんだ。
他に、興味のあるものは御座いませんか。