メインディッシュ

いただきます。

ごちそうさま。

味わいとは、
味覚だけではなく、
あらゆる感覚から知覚する。

感覚を知る行為こそが、
味を知るということなのだろう。

そしてその情報は、
僕たちの脳という未知の倉庫に蓄積されていく。

取り出し方も分からなければ、
どこに保管したかも覚えていない。

そんな曖昧なものに頼りながら、
僕たちは今日もグルメに、新しい味を知りたがる。

人の手を経る度に磨り減り、
手元に渡る頃には使い古されている食材は、
統計によって編み出された、
国民の舌触りに最も適した調味へと変わる。

僕が呟く最後の言葉の受け手に、
君はなってくれるだろうか。

いただきます。

ごちそうさま。

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