視界の起源

ところで、なぜ私たちは見えるのか。
視覚から伝達され瞬時に脳内に現像する、
その仕組みを持つのか。

もしかしたら、暗闇を嫌悪したのかもしれない。
光の存在に、俄かに気づいたのかもしれない。

「見える」というのは不思議なことだ。
見たくないものまで見えてしまうのだから。

見えることがなければ、
醜さも、美しさも存在しなかっただろう。
当然、それ故の妬み嫉みも発現することはなかった。

どうして、僕らは見えてしまうのだろう。

見えなくても愛することはできるのに。
感じることは、見えることよりも容易いのに。

僕らの目は、何を見ているのだろう。
視界に入るもの全てが、脳内に蓄積されていく。

そして、その情報の渦に溺れて、
感情を失っていく。

未来は、未来だけは見えないんだ。
だから、其処に希望があるんだよ。

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