嘘の半分

偽りがひとつも無ければ、君はそれを美しいと呼ぶだろうか。
永遠と、儚さのどちらが、僕の心を満たすだろうか。

目的地のない地図はいつも未完成で、
自分の現在地だけが、赤色のピンで僅かに進んでいく。

それは、狭い画面の中では進んでいるように見えても、
俯瞰視すれば、簡単に嘘だと見破られるような仕掛けなのかもしれない。

僕が君のことを好きだと言う時は、
理想の中で現像した偽りの君が対象の半分で、
残りの半分は、誤魔化しながらバランスを取る、
本当の君の残像だ。

嘘を好きでも構わない。
嘘をつくるのは、君のことを信じる僕だ。

僕が君を愛するために、
嘘をつく君であって欲しい。

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